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「生きることにマメ」シリーズ 元気になるためにチョットした工夫①

オノズカラある生命をミズカラ高める

私たちの生命は授かったものです。原始の海に数かぎりない化学変化が起こって、偶然、単細胞の生物が生まれました。その生命が次々とつながり、プランクトンになり、魚になり、多種多様な海の生物が生まれ、コンブなどの植物に加えて生物いっぱいの海になり、地上の動植物にも発展しました。地球は生物の宝庫となりました。そしてとうとう人間までも生み出したのです。その人類の生命の連続で、今ここに私たちは生きています。

 さてこの生命はオノズカラ生きるという能力とミズカラ生きるという能力を有しています。オノズカラ生きる、という力に任せっきりにすると、早々に生命は消えます。

ですがミズカラ生きる力だけに任せても、オノズから生きるという力がなければどうしようもありません。それで結論。

オノズカラある生命をミズカラ高める

ということで、今回から日常生活を様々な工夫をしてマメに実行するという私の方法をご紹介したいと思います。

●目覚めの「起き上り小法師(こぼし)」

 全ての動物は絶えず自分の体をミズカラほぐし、元気を保っています。人間もまた動物ですから、生きるためには一人ほぐしをせっせと行うのが原則です。目が覚めて起きようと考えた時、みなさんは初めに何をしますか?ボディートークを学んでいる人なら「一人ほぐしです」と答えるでしょう。私は頭をコロンコロンと左右に揺すったり、片足で一方の足を揺すったり、体を様々にのばして神経を活性化します。もちろん声を出しながらです。15分くらいゴロゴロ、ユラユラして、仕上げは「起き上がり小法師」です。歌を歌いながらマルムシになって転ぶのです。

♪ 俵はごろごろ ♪

俵はごろごろ     おくらにどっさりこ

     お米はざっくりこで  ちゅうちゅうネズミはにっこりこ

     お星さまぴっかりこ  夜のお空にぴっかりこ

≪起き上り小法師のやり方≫

 まず、仰向けに寝て、両足を揃えて膝を立てます。背中をまるめて勢いをつけて両足を頭上にもっていきます。次に背中をまるめたまま両手を膝の裏で組み、勢いをつけてゴロンと座った姿勢にまで起き上ります。そしてカカトをおろしたまま両足先で♪ゴロゴロ♪や♪ざっくりこ♪などを歌いながらトントントンと床を打つのです。その時に、膝から足首の間の筋肉(正確に言えば、前脛骨筋の外側)に親指と人差し指をあてて揺すりながら行います。この動きは睡眠時の副交感神経を、活動するための交感神経に戻してくれる働きをします。スッキリと目覚めるためには短時間で効果を上げる有効な一人ほぐしです。

●ゴマの一粒をオハシでつまむ

マメに生きるということは、普通ではやらないような細かいオハシの使い方も大事です。食卓に「ほうれん草のおひたし」が出ました。白い小皿の上に盛り付けられています。おひたしは少しずつつまんでも、5口が6口でなくなります。食べ終えたお皿の上には黒いゴマが数粒残っています。このゴマを1つずつオハシでつまんで口に入れるのです。

普通のオハシでは無理です。私は特に繊細でスッキリしたオハシを選んでいます。軽くて、ほどよく短く、ピシッとまっすぐの木のオハシです。ほんの少し時間はかかりますが、私の悪い目でも白いお皿の上の黒いゴマは見えます。それを軽くつまんで口に入れますと、心は満足して笑みがこぼれます。京都には数か所に「箸工房」という店があって、気に入ったオハシを見つけにいきます。

私はゴマの一粒一粒を、時間をかけてていねいにつまんで口に入れながら、「生きることマメ」を積極的に心することで、マメであることに喜びを感じています。