5月の風にカーネーションは揺れて

●自分をほめていますか?

この言葉は、私がボディートークの月例会やセミナーでよく言います。辛い時、悲しい時、ふんわりと繊細な手のぬくもりと暖かい息で心と体を包み、「よくやってるね」「よく頑張ってるね」とささやくように、自分に言ってあげるのです。

私がボディートークに出会って「そうなんだ!」と感心し 感動していった事の一つに 「こよなく自分にやさしくしましょう」がありました。 それまで人にやさしく」とは言われても、「自分にやさしく」など聞いたことがなかったのです。

●赤ちゃんのように泣ける

自己反省は得意で 達成目標を高く掲げ、 いくら努力しても「まだまだこのくらいではダメ!もっと!」と叱咤激励するのを良しとして生きてきた私でした。 ですからボディートークに出会って最初の頃は、体ほぐしをすると、それまでしっかり自分の心の奥に押し込めガマンしていたものが、次から次へと涙とともに出てきました。

過去の頑張っていた自分に「よく頑張ってきたね」と、自分をやさしくほめながら体ほぐしをすると、体がファ~ッとやわらかくなっていき、涙がいっぱい溢れてくるのでした。

ボディートークのプライベート・レッスンで安心でき、 体が緩むから泣けるのです。 自分の感清をそのまま素直に出せる場は、いくつになっても本当は誰にも必要なのですが、様々な人間関係の中で、そう出来ないことが多いのが現実です。

●素直な自分が戻ってくる

子どもも大人も、自分の押し込めた感情を思いっきり外に出せると、スッキリとしてきます。そして素直な自分が戻ってきます。ケンカしていても「ゴメンネ」と素直に謝れるようになったり、「どうせ私には出来ないのだから」といじけたりしていた気持ちが「もう一度やってみようかな?」というように、前向きな気持ちになれたりとか、また状況に応じて、自分の感情をコントロール出来るようになったり、他の人の為にも何かをしてあげたいというような気持の変化も起こってきます。

●お母さん 大丈夫よ!

先日、子育て・マタニティ講座でこんなことがありました。0オ、2オ、5オと三人の女の子を持つお母さんです。育児に疲れ切つていて、毎日子どもを叱ってばかり。そんな自分がイヤになり、「 もう私はダメな母親です」とウツ状態でセミナーヘ参加されました。

いつものように体ほぐしをさせていただきながら、「よく頑張って来られましたね~。大丈夫ですよ。今は疲れてきって体が固くなり、息が苦しくなっています。 でもね、体がほぐれていけば楽になりますよ。三人も子どもを産み、こんなに立派に育てて来られたのですから、大変でしたねぇ∼」とお話していたのですが、次の月には、お母さんの表情はずいぶんふっくらと穏やかになっていらっしゃいました。

そして「ありがとうございました。前回はずいぶん楽になりました。でも、暫くしてまた私が落ち込んでいましたら、5オの娘が傍に来て『大丈夫よ、お母さん!三人も子どもを産んで立派に育ててきたんだから…』と先生の口調そっくりに言いながら、私の頭を撫でてくれたんですよ。それから毎日ヨシヨシしてくれるようになったんです」と涙を浮かべながら報告して下さいました。お母さんはどんなに嬢しかったことでしょう。

親子一緒のグループレッスンですから、どの人にも体ほぐしを一人ずつ順に行います。2時間近くのあいだ、どの子も部屋を元気よく走り回りながら遊んでいます。遊ぴながらも、子ども達はお母さんのことが心配で、私の言っていることを聞いているのですね。

●「エンゼルハンズ」 ・ 「エンゼルポイス」 ・ 「エンゼルハー ト」

この講座では、子どもが ーオぐらいになっていれば私は「ネェ?こんな風にお母さんにできるかな?」とお母さんの頭をヨショヨシするように、そっと撫でてみせます。するとほとんどの子どもは「ウン、できるよ。よく頑張ったねェ~、大きくなったねェ~ 」といいながら、まるでお母さんがするように、何度も何度もお母さんの頭を撫で始めます。

その手はふんわり暖かく、やわらかく、優しく、声もソフトです。そうされる度にお母さんの表情が優しくなり、 ニコニコ顔で変わっていくのを、子ども達はちゃんと見ているのです。お母さんは そうされると、思わず「ありがとう!」と言って、その子を抱きしめたくなります。

子どもの手は小さいけれど、驚くほど大きな包容力を持っています。それは実際にやってもらうと良く分かります。ですから私はセミナーの終りに、「毎晩、おやすみなさいの前にお母さんが子どもに、また子どもがお母さんに『今日一 日、よく頑張ったね』と言いながら頭を撫でてあげてね』とお願いするようにしています。

微笑ましいこの光景が家庭で、毎日当たり前に身についていくといいなぁと思っているからです。それを実行したらどんなことが起こったと思いますか?

● エ ン ゼ ル ハートが育つ

Sちゃんは1オ4ヶ月、ようやく歩き始めた女の子です。ある時セミナーの途中で一人の お母さんが、生後3ヶ月ぐらいの赤ちゃんを部屋の隅にいて、ちょっとトイレヘ立たれました。赤ちゃんは声を上げ、泣き始めました。するとSちゃんはヨチヨチ歩きで赤ちゃんの所へ行き、赤ちゃんへ涙をふくようにとタオルを渡し、頭をナデナデしたのです。(Sちゃんは毎晩、お母さんをヨシヨシしていて上手です)

周囲の大人達はそれを見てビックリ。Sちゃんのお母さんは、兄弟でもない赤ちゃんにも思いやりの心を持てるようになった我が子の成長を見て、大喜びでした。幼い頃からエンゼルハンズ、親子で触れ合っていく子ども達には、人を思いやれるエンゼルハートも、いつの間にか自然に育っていくことを教えてくれた出来事でした。

もうじき五月。さわやかな風に赤いカ ーネーションが揺れています。一枝に寄り添つて咲く真っ赤な大きな花とちっちゃなつぼみ達。その花達の姿<ありがとうと感謝する心>や

<思いやる心>をさり気なく互いに伝え合える、暖かい親子の姿のように私には見えてきて、ほのぼのとした気持ちに滴たされていきます。