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借金のしこりをほぐす方法

動物としての人間の体は、本来、柔らかいものである。そして緊張したり、疲労したりすると固くなる。運動からくる肉体的な疲労はもちろん体を固くさせるが、これは休養をとれば回復する。やっかいなのは精神的な疲労だ。
 

精神的なストレスは体の中に複雑なしこりやゆがみを作る。そしてストレスによる過度の緊張を毎日々々積み上げていくと、体のこわばりは慢性化してしまう。
精神的なストレスが体にどのように現われるかというと、例えば、頭をストンと前に落としてみてください。

そして肩の上部の首の付け根に手をあててください。すると大きな骨がひとつボコッと出でいるのがわかる。この骨が頸椎7番―首の骨を上から数えて7番目にあたる骨だ。この骨のまわりの筋肉が固ければ、「借金のしこり」。お金の問題で悩むとこの部分がまず固くなる。「借金で首が回らない」のは実際に、首の付け根が硬直するからだ。
 

インドネシアに行ったときのことである。かねてから知人がお店を開いたと聞いたので立ち寄ってみた。こぢんまりとしたかわいい土産物店であったが、あまり繁盛している様子はない。ご主人が一人で店番をしていたので「奥さんはどうしたのか」と尋ねると、「風邪で寝ている」とのこと。「でも起きられないことはなさそうだ」と店の奥に呼びに行ってくれた。
 

奥さんは頭にスカーフをはちまきのように巻いて出てきた。頭痛が激しいのだという。額に手を当ててみると、熱はない。そこで背中を調べてみると、なんと首の付け根がコチコチでこぶし大の石が入ったかのように盛り上がっている。「これは借金のしこりですよ」と片言のインドネシア語で説明をすると、ご主人も奥さんも大笑いになった。開店したものの品物があまり売れなくて、借金の返済に困っていたのだ。
 

さっそく椅子に浅く掛けてもらって背骨をユラユラと揺する方法を教えた。ボディートークでは「背骨の波送り」と言っている。背中をゆるめて腰からユラユラと上方へ波を送っていく。すると波の動きに乗って頭がグラグラと揺れる。その時「アー」と軽く発声するのがコツだ。
 

この奥さんの場合は、首の付け根の借金のしこりの部分で波が通りにくくなっていたから、その箇所に快痛を感じる強さで揺すってもらった。それを5分ほど続けると頭痛がすーっと引いてしまった。
 

このように精神的なストレスが体にしこりを作っている時は、そのしこりが何によって生じたのかということに意識の焦点を合わせてほぐすとうまくいく。皆さんも会社での会議中や上司からの仕事の説明を受けているときに、背中の1点がピリピリ痛むという経験を持っていないだろうか。

責任を強く感じると「肩の荷が重く」なって筋緊張がおこり、痛みを感じるのだ。そんな時は肩の荷が重いぞと思いながら「背骨の波送り」をすると、しこりはとれる。
 

このように肩こりの症状は「借金のしこり」や「肩の荷」など、ほとんど精神的なストレスが原因となって起こる。それを同じ仕事をやり続けたから肩がこったのだと思っている人がいるが、その仕事をどんな心でやり続けたかが問題なのである。
 

例えば、歩き続けるとしよう。恋人と話しに夢中になって1時間、2時間あるいてもさして疲れるものではない。ところが、イヤな人と5分並んであるいただけで、もうドッと疲れがでてしまう。お店の対応も次々お客様が見えると快い疲れですぐに回復するが、1日にパラパラだと気が滅入って背中がドンと重くなってしまう。だから体をやわらかくするには心の問題に気づかなければならないのだ。
 

精神的なストレスは見事に背中にしこりとなって現われる。次回は背中に現われる心のしこりについてお話を進めよう。




ストローでチュッチュッは、何だか美味しいね!!

● ストローでチュッチュッがお気に入り

K君は3オになったピッカビカの保育園の一 年生。 朝になると「行かない!」とむずがるものの、 お母さんと保育園に行ってしまえばホイツと仲間の中に入って一 日を過ごせる男の子です。

通園し始めて2週間ぐらいして高熱になり、インフルエンザかな?と心配しましたが、 次の日にはスーツと熱も下がり、お母さんは安心しました。けれど熱を出した数日前から、 お腹の調子が思わしくなく食欲も落ちていたので、朝食前とおやすみの前にあったかい牛乳を飲ませることにしました。

するとK君は、牛乳をまるでおっぱいを飲む時のような表情でストローでチュッチュッと吸い始めました。このストローチュッチュッがどうもお気に入りになった様子で、熱が下がった後もこのストロータイムは続いています。

「今までこんな事はなかったのですが、  何故なんでしょう?」と、お母さんから電話での相談を受けました。

●僕が開けたかったのに・・・

K君は生まれた時から、 ボディートーク・マタニティ子育て教室に通っていた、
とてもプライドの高い男の子でした。 ある時ペットボトルの蓋を開けようとしましたが、 なかなかうまく開けることができません。 傍らでそれを見ていたボディートークの指導者が、
気を利かせて「ハイ!どうぞjとその蓋を開けたとたん、 突然「ワー ツ!」と大声で泣き出しました。

「エッ!?どうしたの?」と大人達はぴっくり。 その頃のK君にとっては、ペットボトルの蓋開けは、まだ新しい課題。 それでもどうにか自分で工夫してやってみようと、一生懸命頑張っていたのです。大人にとっては、 早く蓋を開けてお茶を飲ませてあげようという心づかいでやった事なのですが、K君は自分でふたを開けて、自分で飲みたかったのです。 なのに蓋をとりあげられて、 自分の出番なくして蓋はすでに開いてしまったのですから、悔しくて泣き出してしまったのです。何でも大人と同じようにできるようになりたい。失敗したり、できないところは見られたくない。《自分の力で、自分一人でできた》という  喜びと誇りが、K君の次への向上心へと繋がっていったのです。

公園でスベリ台を見つけた時、すぐには近寄らず、遠くからお兄ちゃん達の滑るのをジ一 つと見ていて、誰もいなくなるとソーッと一人で確かめながら何回も滑る練習をする、慎重派タイプのK君です。

●あれもこれも新しいことばかり

そんなK君をゆっくりと穏やかに見守ってくれていたお母さんとの生活から一変して、新しい仲間との保育園の一
日。赤ちゃんもいれば、年上のお姉ちゃん、お兄ちゃんもいっぱい。食事の時も、哺乳瓶からミルクを飲む赤ちゃんもいれば、マグカップからグイグイお水を飲む年上の子達もいます。見ること、することが、次から次へと新しいことだらけで、K君の頭も心も体も大忙しで す。

●幼児がえり・赤ちゃんがえりは、大切な反応

新学期が始まる4月は、個人差はありますが子どもも大人も少なからず、K君と同じように環境の変化が大きな時期なのです。特に生命が繊細な幼い子どもの頃は、自分の体や心に大きな変化があったり、不調が起こると、内息になりがちになります。そしていろんな形で《幼児がえり、赤ちゃんがえり》になることがあります。外や内の大きな変化を受け止め、それに適応していこうとするエネルギーがより必要となり、《内なる転ネルギーを充実させていこうとする営み》が《幼児がえりや赤ちゃんがえり》になって表れているのです。    

電池で動くおもちゃを考えてみると、よく分かります。動かせば動かすほどエネルギーが減っていくので、充電が必要になってくるというシステムです。赤ちゃんが生きていくためのエネルギーは《おっばい》ですが、それは単に栄養の補給だけでなく、お母さんのふんわりとした皮膚とのふれあい、匂い、優しい眼差し、
あったかい息づかいなどを含めての、まさに心と体のオアシスでもあるのです。

K君がミズカラ選んだストローでチュッチュッという行為は、一気にコップから飲むのと違って、おっばいを吸っていた時の唇や舌の使い方に近いのです。K君の体は無意識の中にそれを知っていて、自分の心と体のオアシスヘ行って、新しい保育園生活に必要なエネルギーを補給しようとしていた訳です。また、朝起きたばかりの時や、
夜、 少し眠くなってきた時は副交感神経の働きが優位になり、 昼間の緊張が緩んでいるので、《赤ちゃんのような心と体》になりやすくなる、オアシスタイムでもあったのです。自分でオアシスを探し当てたK 君に、「いいぞK君!」と何だか誉めてあげたくなりました。

●一緒にストロータイムを楽しもう

「K君は、保育園や家の外ではストローでチュッチュッはしないでしょう? お家の中だけ、しかもお母さんと
一緒の時だけそうするのではありませんか?」と尋ねると、 「ハイ、 その通りです」との答え。「やっばり。K君らしいですね」と、
思わず微笑んでしまいました。 他の人の前では、いつもカッコイイ、立派な男の子でいたいK君なのです。

お母さんと二人で、 K君の成長ぶりを喜び合いながら、「できれば、  お母さんもK君と一緒にストローで飲んだらどうでしょう?恋人のように見つめ合い ながら、『ストローで飲むと何だか美味しいね』って言ってみるのもいいかも?」ちょっとシャイな表情でニッコリするK君の笑顔が浮かんできそうです。“さり気なく、子どもの心に楽しみながら寄り添っていく・・
きっとお母さんにとっても 素敵なひとときになれそうですね。




「生きることにマメ」シリーズ 元気になるためにチョットした工夫③

湯船の発声 ・ 階段の上り下りは数を唱えて ・とろけ寝で一瞬にして全身のリラックスを

慌ただしい生活の中でもちょっと心がけて、頭も含めた全身のしなやかさを得るのがマメシリーズです。いわば瞬時に体や心や頭の掃除をする知恵と思っていただいてもいいでしょう。このチョットした工夫の数々を身につけると疲れも早くとれますし、息もさわやかになるでしょう。やがては、「さわやかに生きるためのチョットした工夫」(仮題)として、小さなパンフレットにまとめたいと考えています。

●湯船の発声

 朝、お風呂にゆったりとつかります。お湯のあたたかさがジワァと全身に伝わり、思わず「m~」とハミングしてしまいます。すると首から下がお湯にすっぽり包まれた中で「ムゥ~」と牛の声を響かせます。風呂場ですからエコー効果もあって、あまりの気持ち良さに耳を蓋して頭ごと湯につかります。全身が丸まって体中が響きますから、これこそ全身呼吸による全身発声です。こんな姿をみたら荘子はどのように言うだろう、と内心ほくそ笑んでいます。好きな歌をフルコースで2曲歌えば、およそ5ないし6分です。私の朝は湯船の中の心地良さで始まりますから、この習慣は一生続きそうです。念のために申し上げますが、歌声に熱中するあまり長時間の入浴は湯あたりになる恐れがありますからご用心下さい。

●階段の上り下りは数を唱えて

 階段で足を踏みはずしてケガをした、という話はよく聞きます。どうして踏みはずしたの?―考え事をしていたのでしょうかという答えが返ってきます。これは頭の神経が足を動かす神経とつながらなかったからです。こんな失敗をしないために数を唱えることにしたのです。階段の数はいくつあってもよろしい。大事な事は上り下りする瞬間に一歩一歩数えると脳の神経が足の動きと一致する、ということなのです。

私はマンションの1階に住んでいて、2階がレッスン室です。夜、暗い中でも階段の上り下りをしますが、必ず階段は数を唱えています。特に下りる時が危ないのです。外の灯りを眺めていたり、他のことを考えたりしていると、踏みはずす可能性が大なのです。呪文の如く数を唱えながら上り下りすると、余分なことに気を捉われることがないのです。

●とろけ寝で一瞬にして全身のリラックスを

 もし俳優の演技テストをするチャンスがあれば出してみたい問題があります。問題「仰向けに寝て下さい。失神する場合と腰を抜かす場合の二例を演じ分けて下さい」

仰向けに寝てもらうのは身の安全を保障する為です。失神は脳の神経がストップするので、頭から足の先まで順に気を抜いていきます。腰抜けは腰を保つ力が突然なくなって、胴や手足の感覚が遠のくにもかかわらず、目や耳や思考能力の神経は働いているという矛盾の状態です。体と心、さらには頭の働きを客観的に理解していれば出来る問題です。ところが意識的に全身をリラックスする方法は難しいですね。酒の力を借りるというのは時間もかかるしお金も要ります。気楽なおしゃべりをしたり居心地のいい環境でのんびり過ごすと言う方法もありますが、これには時間がかかります。そこで一瞬にして全身のリラックスを行う方法をご紹介しましょう。ボディートークの自然体運動である「とろけ寝」です。

【とろけ寝の方法】

立った姿勢から「トロトロトロ~」と言いながら下半身から上半身へ向けて順々に力を抜いていきます。そして仰向けに寝てしまうのですが、「とろけ寝」の方法と全身のリラックスは意識で確かめてください。すなわち、首の力が抜けているかどうか、肩や胸は力んでいないかどうか、腹部や腰部はしっとりと床におりているかどうか、腕や脚部などな無意識に力を入れていることが多いので、とくに注意深くリラックスの感覚を確かめて下さい。仕上げに手や足の指先まで脱力しているかどうか、何回か行う中で確かめる瞬間にできるようになるでしょう。おすすめは夜寝る時です。おフトンの上に横たわる時、是非、とろけ寝でぐっすり眠る習慣がつきますように。




「生きることにマメ」シリーズ 元気になるためにチョットした工夫②

真夜中の手さぐり ・ 『ニャンニャンタッピング』・ クルッと「まわり立ち」

私がバイオリンを丁寧に拭いてケースに収めている時、ライフパートナーの明喜子さんが「随分マメですね」と声をかけてくれました。それまで自分がマメであるという自覚はなかったのですが、ボディートークを始めて生命を磨く事の大切さに目覚めた頃でした。それをキッカケにマメであることを大切に考えるようになりました。そうすると日々、細かく気をつけることはたくさんあります。このシリーズはやがて一冊の本にまとめようと思います。いずれにせよ皆さんも、気がつけばせっせと行なって元気に磨きをかけて下さい。

●真夜中の手さぐり

真夜中に目を覚ますと回りは真っ暗です。真っ暗な中を隣の台所に行ってお水を飲むのですが、私は電気をつけません。真夜中を楽しむためです。寝室を出る時に机に触れたり、ソファーに触れたりしながらドアの方向を理解します。ドアの枠に手が触れたら「タコ踊り」の要領で手を挙げ、挙げた手の指先でドアの上部を探りながら、取っ手の位置に検討をつけます。ドアを閉じて廊下に出ても全て手さぐりで隣の部屋を見つけます。そして電話機を探り、机や戸棚を経て、冷蔵庫に辿りつきます。

冷蔵庫を開けるとランプがつくので、水はすぐに見つかります。三口ほど飲んでフーッとひと息ついて、再び手さぐりでオフトンに戻ります。このしなやかな動きで、結構体の様々な筋肉を細やかに使うことになるのです。楽しく人生を送ろうと思ったら、全身をマメに使うことが大事ですね。

●ハミガキの後で『ニャンニャンタッピング』

骨は時々、軽く叩いてやると丈夫になる性質があります。歯茎も骨です。ですから時々叩いてやらなければなりません。顔の筋肉の上から叩くためには、頬をニッと横に開くと叩きやすいです。それで猫のニャンニャンと鳴く声で歌をうたいながら指先でタッピングします。歌は「ジングルベル」がいいでしょう。

まず右手の人差し指、中指、薬指をそろえて顎関節から叩き始めます。右手の指は右の顎関節から、左手の指は左の顎関節から始めて下さい。そして右は歯茎に沿って唇の上部の中央まで。左は下唇の中央まで。歌いながら叩くと8拍になります。次に8拍かけてスタートラインまで戻ってください。次は左手の指は上唇へ。右手の指は下唇までいって戻ってきます。この方法で2パターン、すなわち32拍を行なって最後に「仕上げた!」という気持ちで両手をポンと叩きます。「ヘイ!」と掛け声をかけると調子が出るでしょう。

かつて私は歯医者に行くと歯茎の検査がありました。するとチクチクと痛いのです。60歳で3ヶ月入院をしたとき、毎日3回、ハミガキをしたあとニャンニャンタッピングをしました。退院後、歯茎の検査を受けたのですが、歯茎が丈夫になったのでしょう。痛まなかったので嬉しい思いをしたことを覚えています。

●クルッと「まわり立ち」

数年前に知人から立派な食卓と椅子を譲り受けました。しばらくはそのテーブルで食事をしていたのですが、椅子に座る生活をしていますと、日常動作が少ないことに気がつきました。それで食卓は座机にかえて、腰をおろして食事をすることにしました。すると食事の最中も、用事ができて立ったり座ったりすることが多くなりました。これはいいチャンスだと思い、軽く「ホイッ」と掛け声をかけて立ち上がることにしました。その時、通常の「どっこいしょ」という重い息で立ちあがると、動きが鈍くなるのです。というわけで、ボディートークの『まわり立ち』と『まわり座り』を心がけることにしました。下の写真を参考にして、しなやかな立ち方、座り方を練習してみて下さい。できるようになれば一生の得ですよ。




やわらかな足音は 一生の宝

●足音だけであなたが分かる

♪足音だけで あなたが分か~る

目を閉じてても
あなたが分か~る♪

 ずいぶん古い歌ですが` まさにその通りです。履物を換えると、 その音は当然変わりますが、 ちょっと自分の足音に耳を傾けることを心掛けていくと、 その日の心や体の在り方が感じられるようになっていきます。

●足音たてたら罰金

私はバレエを長い間教えてきましたが、 レッスン場で小さい子ども逹がドタドタと足音をたてると、 すぐに「ハイ!罰金!」とニコニニしながら言うこと にしています。 すると子ども達は、「あっ そうだった」と、 直ちに足音をたてずに動き出します。

《何故、 そうするのか?》それはただ踊ることだけでなく、《体を大切にする動きを身につけていくこと》がレッスンの目的だからです。

●休の在り方が足音に表れる

外出の時には、 たいていハイヒールか履かない私ですが、 疲れている時は自分の足音は雑音に近いものになっていて、 その音が耳に響くことによって余計に疲れていることに気づくことがあります。そんな時は「ゴメン、 ゴメンネ」と足に言いながら、 歩き方を ゆっくり、 ふんわりとするよう、 心掛けています 。

街角でも「何!このダラシない音は?」と振り返ると、 目の覚めるようなステキなファッションのスタイルの良い若いお嬢さん。 でも足音から判断すると、 「あー、 この人は腰がズレているな。 心も少し精神不安定気味。 結婚しても、 きっと家は散らかし放題だろうな?」と、 思ってしまいます。

●忍者学校入学許可。

子育て ・マタニティー講座の中でも、 この足音のプログラムは、《自分の生命を大切にする感性をはぐくむ》方法のひとつとして、 必ず伝えるようにしています。 例えばこのようにして進めていきます。(S;城石.C;子ども達)

S: みんな、 忍者知ってる?

C:知ってるよ

S:忍者ってね、 目に見えない位 超スピードで走るし、 足音も 間こえないんだよ。
できるかな?

C:できるよ!

S:それに人や壁とも絶対にぶつからないんだよ

C: うん

S:じゃあ、 やってみる? いい?いくよ~ ヨーイ、 スタート!

C:(子ども達、 つま先立ちで体を少し内へ構えるようにして足早に走り回る)

S:ウワァー ! すご~い!

じやあ、 今度はすぐにストップ
できる? 動いちゃダメだよ。 イクヨー ストップ!

C:(子ども達は、 走るのをすぐ やめて、 その場にストップ する )

S:じやあ次は、 溶けて消えてみよう。 イクヨー ホーラトロトロトロ~ッ

C:(子ども達は、 頭の方から ソフトクリームが溶けるように、 音も立てず、
床に倒れていく )

S:すご~い! !すごいよ、 みんなやれたね。 ヨシ 、忍者学校入学許可だね 。

先月、 五月の沖縄での子育て ・ マタニティー講座でも、 4~5人の男の子達が 大人のセミナーのやっている会場の間を《忍者走り》で走り回ったり到れ込んだりと、 全身汗でびっしょりになりながら、 大喜びで1時間近くを仲良く 遊び回っていました。けれど、さすがお見事。 忍者達、全く音もせず、 何の邪魔にもなりませんでした。

●柔らかい足は 一生の友として

この忍者のように走るには、 全身のしなやかな筋肉が必要です。 また、足の母指球を中心として、 五本の足指の関節の可動性が大でなければいけません。 日頃、よく動いている子供たちは簡単にホイツと忍者になれますが、 クツを長く履き続けてきた大人の足指関節は、 可動性が狭くなり、 筋肉も固くなっています 。 昔は畳で座ったり立ったりの所作でしたが、 椅子の生活が増え、 足指の動きは悪くなっているのです,、クツは進化しましたが、 足は退化していると言ってもいいほどです。

特に、 大人もそうですが、 子どもに出来る だけ五本の足の指がシッカリ動く生活を確保 してあげることは、 脳の発達にも、とても大切なことなのです。

是近、 幼い子の足を触ると「エーッ、 信じられない、こんなに硬い 足になっている」と 驚くことが多くなりました。 直接な理由でないにしても畳がある家が少なくなり、 絨毯の上に立ったり歩いたりしていることも関係しているような気もするのですが ・・・。 ご`存知のように、 足の筋肉が固くなると、心臓の血流量が減少します。 脳への血流も滞ることにもつながっていきます。 ネコのようにはいかずとも、日頃の足音を柔らかに、やわらかい足音へとちょっと心掛けるだけでも足の負担が変 わっていきます。 ボディートークの足ほぐしもマメにしていただき、 どうぞご 自分の足を大切にして下さい。 自分の人生の最後の日まで、 自分の足で立ち、 自分の足で歩けるなんて、 なんと幸せな事でしょう。 未来をになう子ども達も、 やわらかい足音を一生の友として、 歩き続けていって欲しいですね。




ぎっくり腰になった時~体の言い分に耳を傾けること~

ボディートークの第一分野自然体法は体の言い分を聞き、その要求に従って動きたいように体を動かしてしこりやゆがみを正す方法である。

体の言い分を聞くというのは、体の内部を感じることから始まるのだが、それでは脈拍をかんじることからやってみよう。 医者は患者の手首を持って脈を診る。他人の脈ならそれでいいが、自分の脈ならどうするか。医者と同様に、手首を握る人が多いが、そうする必要があるだろうか。一体脈拍とは何なのか。心臓から血液が押し出されることによって動脈に起こる周期的な鼓動である。もちろん心臓の鼓動と一致する。そうであるなら自分の心臓の鼓動ぐらい何もしなくても感じることが出来るはずだ。そしてさらに静かに意識を集中すれば、耳の後ろや手のひらに脈動を感じることが出来るようにもなる。これが内感である。動物の赤ちゃんの内感は鋭いが、我々大人は意識が外へ向かうため鈍くなっている。しかし内感は訓練すれば取り戻すことができるし、また更に高度に開発することもできる。そうしてこの内感によって、体のしこりやゆがみに気づき、体の言い分に従って素直に体を動かせば健康を回復するというわけである。その一例を私の実体験でお話ししよう。

 あるとき、私は職場でギックリ腰になった。ギックリ腰というのはご存じのように、ものを持ち上げた瞬間にギクッと激しい痛みが腰に走る。あの「魔女の一撃」のことである。痛みをこらえつつ体を預けて、ようようのことで帰宅した。ソロソロと横になり寝ていたのだが、その時ハッと気がついた。寝ている腰は痛まないのではなかろうか?

 まず腰の筋肉、骨の感じに意識を集中して、できるだけその感じを保ったまま、手や足を使ってソロソロと立ち上がった。自分の体に「こっちへ動こうか、それともこうかな」と自問自答しながら、体が「いいよ」と言う方向を探って起きていくと、結果的にはらせん状にゆるやかに回転しながら立ち上がることになった。こうして立ってみると、予感どおりあまり痛くない。恐る恐る「アー」と声を出してみる。さらに痛みが和らぐ感じがする。次に膝を少し緩めて体を上下に揺らしてみた。大丈夫、痛くない。内感によって自分の体に「いい?動いてみるよ」と相談しながら、体が少しでも気持ちよくなる方へと試したわけだ。

 少し勇気が出てきて足踏みをしてみた。やがて「ホッ、ホッ、ホッと」と言いながら、そうやって一時間も部屋の中を歩き回っていただろうか、ふと気がつく腰の痛みはすっかり取れていた。軽い発声とともに体を上下に揺らして歩くだけで、何故ギックリ腰が治ったのか?しかしこれは理論的にも当然のことなのである。ギックリ腰というのは腰の骨のいずれかがズレたためにその骨と骨の間から出ている神経が圧迫されて激しい痛みが走る症状である。腰骨は本来、正しい位置に戻りやすい構造になっているから、たとえズレたとしても体に柔らかい微振動を与えてやれば、あるべき位置に納まってくれる。骨が元に戻れば、その間から出ている神経は圧迫されないから痛みはなくなるという具合である。私はこの動きを「ペンギン歩き」と名付けた。誰がやってもヨチヨチと歩いているようなユーモアさとかわいさがあるからだ。                   




「生きることにマメ」シリーズ 元気になるためにチョットした工夫①

オノズカラある生命をミズカラ高める

私たちの生命は授かったものです。原始の海に数かぎりない化学変化が起こって、偶然、単細胞の生物が生まれました。その生命が次々とつながり、プランクトンになり、魚になり、多種多様な海の生物が生まれ、コンブなどの植物に加えて生物いっぱいの海になり、地上の動植物にも発展しました。地球は生物の宝庫となりました。そしてとうとう人間までも生み出したのです。その人類の生命の連続で、今ここに私たちは生きています。

 さてこの生命はオノズカラ生きるという能力とミズカラ生きるという能力を有しています。オノズカラ生きる、という力に任せっきりにすると、早々に生命は消えます。

ですがミズカラ生きる力だけに任せても、オノズから生きるという力がなければどうしようもありません。それで結論。

オノズカラある生命をミズカラ高める

ということで、今回から日常生活を様々な工夫をしてマメに実行するという私の方法をご紹介したいと思います。

●目覚めの「起き上り小法師(こぼし)」

 全ての動物は絶えず自分の体をミズカラほぐし、元気を保っています。人間もまた動物ですから、生きるためには一人ほぐしをせっせと行うのが原則です。目が覚めて起きようと考えた時、みなさんは初めに何をしますか?ボディートークを学んでいる人なら「一人ほぐしです」と答えるでしょう。私は頭をコロンコロンと左右に揺すったり、片足で一方の足を揺すったり、体を様々にのばして神経を活性化します。もちろん声を出しながらです。15分くらいゴロゴロ、ユラユラして、仕上げは「起き上がり小法師」です。歌を歌いながらマルムシになって転ぶのです。

♪ 俵はごろごろ ♪

俵はごろごろ     おくらにどっさりこ

     お米はざっくりこで  ちゅうちゅうネズミはにっこりこ

     お星さまぴっかりこ  夜のお空にぴっかりこ

≪起き上り小法師のやり方≫

 まず、仰向けに寝て、両足を揃えて膝を立てます。背中をまるめて勢いをつけて両足を頭上にもっていきます。次に背中をまるめたまま両手を膝の裏で組み、勢いをつけてゴロンと座った姿勢にまで起き上ります。そしてカカトをおろしたまま両足先で♪ゴロゴロ♪や♪ざっくりこ♪などを歌いながらトントントンと床を打つのです。その時に、膝から足首の間の筋肉(正確に言えば、前脛骨筋の外側)に親指と人差し指をあてて揺すりながら行います。この動きは睡眠時の副交感神経を、活動するための交感神経に戻してくれる働きをします。スッキリと目覚めるためには短時間で効果を上げる有効な一人ほぐしです。

●ゴマの一粒をオハシでつまむ

マメに生きるということは、普通ではやらないような細かいオハシの使い方も大事です。食卓に「ほうれん草のおひたし」が出ました。白い小皿の上に盛り付けられています。おひたしは少しずつつまんでも、5口が6口でなくなります。食べ終えたお皿の上には黒いゴマが数粒残っています。このゴマを1つずつオハシでつまんで口に入れるのです。

普通のオハシでは無理です。私は特に繊細でスッキリしたオハシを選んでいます。軽くて、ほどよく短く、ピシッとまっすぐの木のオハシです。ほんの少し時間はかかりますが、私の悪い目でも白いお皿の上の黒いゴマは見えます。それを軽くつまんで口に入れますと、心は満足して笑みがこぼれます。京都には数か所に「箸工房」という店があって、気に入ったオハシを見つけにいきます。

私はゴマの一粒一粒を、時間をかけてていねいにつまんで口に入れながら、「生きることマメ」を積極的に心することで、マメであることに喜びを感じています。




あたたかい春の息のプレゼント~暖かい触れ合いの中での健康づくり~

♪あかりをつけましょ ぼんぽりに~ お花をあげましょ 桃の花~♪ 

身の丈程 もある雛壇から、微笑んでいらっしゃる昔ながらのお雛様を見つめながら、思わず 私はこの歌を口ずさんでいました。まだ誰もいない、早朝の小諸(長野県)のホテ ルロビー。独り占めの静かなひとときです。前日、突然に降った3月の雪で、外は 一面の白銀の世界になっていました。

その日の講演テーマは、「暖かいふれあいの中での健康づくり 一—手のぬくもりと
暖かい息を原点に一」です。「皆さん、お はようございます。 では早速、《ほっこり 3》から始めましょう。ハイ、ホッホッ
ホッ.ホ ッ ・・・ 」みんなの声は明るく、動 きも穏やかでスムーズです。

というのも、小諸では、健康推進委員で あれば、誰でも人前で《ほっこり3》の指 導ができるのです。(小諸では10年以上前から、市の健康まつりにボディートーク を取り入れ、ここ数年は、祭りの前日にボディートークの講習を受け、祭りの当日 には委員さんが住民の方々に指導する、というような体制になっているのです。今 回は、委員さんが更に内容を深めたいと強く希望されて、特別に企画されたもので した)「人は嬉しい時、悲しい時、何故か歌いたくなりますよね,今日は皆さんと 一緒 に、暖かい息で〈雛祭り〉を歌ってみましょう」

●ひな祭りを歌ってみましょうー五感を膨らませながら

1.暖かい息で歌う

  • 両手のひらに、 ハァ~と暖かい息をあてる  
  • ロ元に置いた手のひらに暖かい息がずっとあたり続けるようにして歌ってみる

2《ほんのりあたたかい光のイメージをつくる》一視覚

  • 目をつぶり、 両手のひらをそっとまぶたにあて、 ほんのりと、あたたかい光 のイメージをつくる(♪あかりをつけましょ)
  • いないいないばぁ~の要領で、そっと目を開け、 ぼんぼりを嬉しく見つめているイメージをつくる(♪ぼんぼりに~)

3《桜の花びらのやわらかさと香りのイメージをつくる》―触覚亀 嗅覚

  • 目をつぶり、桃の花のやわらかい花びらにふれ、
  • 次に、その甘い香りを嗅ぎながら、桃の花を雛壇にそえるイメージをつくる

♪お花をあげましょ 桃の花~

4《繊細な笛の音から、太鼓の音へのイメージづくり》―聴覚

. 耳に手をかざし、 遠くから聞こえてくるやさしい笛の音に耳を澄まし、 次に、楽しい太鼓の音も加わった、お囃子を聞いているイメージをつくる

(♪五人ばやしの 笛、 太鼓~)

5 《春を五感全部で感じているイメージづくり》

・暖かい息を部屋中に拡げていき、(雛あられや、薇餅などの味覚のイメージも
加えて)最後に、 全身が春の暖かさにたっぷりと包まれているイメージをつくる。(♪今日は楽しい
雛祭り~)

こうやって歌っていると、いつの間にか、みんなの頬がまるで白酒を召されたお雛様のように、桃色になっていました。 こうして、委員さん手作りの昼食をいただきながらの一
日講演会は、あっという間に終わってしまいました。

帰り支度をしていると、一人の方が駆け寄って来られました。 「去年の健康まつりの時の事です。あったかハンドでお年寄りの背中にふれ、『よくこれまで頑張ってこられましたねぇ~』と言いましたら、その方が『私の人生で、こんなに暖かい言葉をかけてもらったことはありませんでした本当にありがとうございます』と、涙を流しながら喜んで下さったんですよ。私も嬉しく、もらい泣きしてしまいました。
どうしても先生にお伝えしたかったんです」と、話して下さいました。

窓の外に拡がる白い雪が夕暮れの色に染まる頃、私の心は、小諸の皆さんからいただいた《あたたかい春の息》のプレゼントでいっぱいになっていました。




ボディートークのすすめ~心のしこりを体をとおしてほぐす

ボディートークは文字通り「体のおしゃべり」のことである。声の調子、身振りなど、言葉以外の体全体によるおしゃべりが大きく作用している。更に感情や本音は言葉よりむしろボディートークによって伝達されるといえるだろう。また心身一如と言うように、心と体はきわめて密接なつながりがある。体が硬いと心も萎縮し、声もこわばる。心の中にたまっているしこりを、体を通して気づきほぐしていこうというのが、私の提唱する「ボディートークの体ほぐし」である。

よく似た言葉に「ボディーランゲージ」があるが、これは相手の仕草・表情などを観察して、その奥にある心を分析しようというもので、外からのアプローチが中心である。それに対して「ボディートーク」は自ら体の内部を感じ、体の言い分に従って動き、しこりやゆがみを正し、健康をとりもどす方法であって、内からのアプローチと言えるだろう。ボディートークが更に進めば、自然で豊かな身体表現を身につけることができる。これはコミュニケーションを深め、個性を磨き、自らを啓発して人生を充実して生きていくための土台となる。

私はこのシリーズで、心がどのように体にしこりを作り、体をゆがませ、そのことが人間関係にどのように影響していくかを解明しようと思う。また、それではどうやって体のしこりやゆがみを取っていけばいいのかと、具体的な方法も提示するつもりだ。ただ知識としてボディートークの考え方を知るだけでなく、その場で実践し、体ごと納得されることをお勧めする。

 ボディートーク法の第一分野は自然体法である。動物の行う代表的な健康運動は胴ぶるいである。水をかけたりすると、胴をブルブルと震わすアレである。胴ぶるいは必ずしも毛並みをそろえるためだけのものではない。胃や腸など、内臓のゆがみをとり、正しい位置へ戻すためのものだ。例えは横になって眠っていた犬が目を覚まして立ち上がるとすぐに胴ぶるいをする。そうすると、地面の方へ偏っていた内臓が元へ、スンナリ納まってくれる。このように動物は体の欲求に従って必要な時に必要なことを必要なだけ行う。まずは人間も健康のためにこういう動きが必要なのである。

人間も胴ぶるいは大切だ。胃がもたれるとき、イライラする時、胸が苦しいときなど、ほんの一、二秒、立ったままでブルブルとやると、ウソみたいに気が晴れる。その時、低く小さな声で「アー」と発声しながら行うのがコツだ。黙って胴ぶるいをすると息を詰めてしまう。息を詰めると体の内部をリラックスさせることができない。ボディートーク自然体法では、柔らかい発声を伴って体の内部を様々に揺するのが基本と考えている。