ボディートークコラム

便秘の赤ちゃんをほぐすには?

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今からお話しする生後十ヶ月の赤ちゃんカズアキちゃんは、産まれてからずっと便秘でした。便が順調な赤ちゃんは、1日のうちに何回もウンチの出るのが当たり前ですが、カズアキちゃんは1週間位いつも出ないので、毎回「浣腸」をしていました。 

便秘にも様々な病気や問題もあるのですが、カズアキちゃんの場合は心の問題でした。4歳のしっかり者のお姉ちゃんと、両親の4人家族です。カズアキちゃんの表情は硬く、顔色も優れません。

お母さんの背中を触ると胸椎3番と5番を詰めていました。家族関係の葛藤(胸椎5番)から息を詰め、切ない思い(胸椎3番)をしていると、判断しました。昔から「子は親の鏡」といいますが、お母さんの心そのものが、どうやらカズアキちゃんに表れているようです。 

お母さんの胸にカズアキちゃんを抱いてもらいました。そこでカズアキちゃんの背中(胸椎8番9番)や仙骨を揺らしてほぐしました。カズアキちゃんには声をかけながら行います。「動きたいよねぇ、動こう!そうそう!ほらっ!ほらっ!動けた、動けた!やったぁ!」と言葉かけをしながら動作の誘導をしていきます。なぜこの言葉かけが必要なのでしょう。 

実は赤ちゃんは胎児の時からお母さんの言葉がわかっているのです。言葉というより、言葉を「息」で感じているのです。何かをするときに必ず声をかけるのは凄く大切なことなのです。

また、仙骨を動かすのはなぜでしょう。いつも目の前を自分のお姉ちゃんが活発に走り回っているのを見ています。自分も動きたくて、動きたくて「うずうず」しているのです。その気持ちを誘導するのが仙骨の揺すりです。自分で動けないから動いている状態を作ってやるのです。仙骨を動かせるのは自分が動くのと同じ動作になるので、気分はぐんと弾みます。 

それからカズアキちゃんの足の裏に手のひらを当てて少し押します。こちらが押すと押し返してきますので、やや力を加えてこちらも少し押します。押し返してきたらその後は「ふっ」と力をゆるめてカズアキちゃんに押し返す力をつけてやります。押し返したときに「強いね!凄いね!」と、そのたびに誉めます。赤ちゃんも誉められると、これはとってもいい事なんだ、とその「息」を感じます。 

このような動きは、足を押したり蹴ったりの連動なので、腸に刺激を与えて、蠕動運動を誘導します。すると便が動きやすくなるのです。浣腸に頼っていては、ミズカラ押し出す力が養われません。排泄は物理的な毒抜きで、体の老廃物を出す効果もありますが、心の毒抜きにもなるのですから、大変大切なことです。 

それと胸の上部(ウムネ)もほぐします。お姉ちゃんは大変元気で、子供なら当たり前の事なのですが、カズアキちゃんに触ってきたりぶつかったりしてきます。もちろんの事ですが、小さいので抵抗する力がありません。そんな事で、当然イライラするし不機嫌になったり泣いたりします。

そこで「反撃!」とカズアキちゃんの左手をふんわり包んで「やっつけろ」と、こぶしを前に突き出す動作をさせました。「やっつけろ!」その時、腕だけを前に出させないでウムネを意識して突き出させます。

そうそう上手ね、大分笑顔が出てきました。「やっつけろ!」『あ、あ、』(あららら、声まで出てきました)「ボン!ボン!」あらぁお腹を揺すって元気に笑い出しましたよ。「やっつけろ!」『うぐん!うぐん!』今度はお母さんのお膝の上でお尻を上げてピョンピョンしてきましたよ。「やっつけろ!」『うぅ!うぅ!』『あ、あ、』大きな声で体ごと笑い出しました。胸のつかえが取れました。 

それとカズアキちゃんの事をみんな「カズちゃん」と呼びかけていたのですが、「カズ君!」とみんなに呼びかける事にしてもらいました。「カズ君!」この呼びかけはお腹に力が入り、気張る息になりますからウンチを誘導します。これは押し出す息です。この押し出す息を感じてカズ君は、お腹に力が入るのを感じます。 

その後は浣腸なしでウンチが1日おきにでるようになりました。今度会うときは、もっとウンチがたくさん出ていることでしょう。 

薬に頼らず、自分の体で積極的にやる運動は快感です。また動くことで神経回路が繋がっていきますので、大脳の働きも大変よくなります。 

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