ボディートークコラム

背中のしこりと心のつながり

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心の悩みは背中にしこりとなって現われる。だから背中のどの位置のしこりかによって、反対に心の悩みが何であるかを知ることが出来る。今回は、肩に現われる代表的なしこりについて述べよう。

その1、「肩の荷の重さ」― 仕事への責任感

仕事が次から次へと重なってきたり、また自分には出来そうもない課題を押しつけられたりすると、両肩に(正確に言うと胸椎1.2番の両側)がつり上がってくる。そういう肩を触ってみると、横棒が入っているかのように強いしこりができている。本人はまるで肩に荷物を載せているように感じるから、これを俗に「肩の荷が重い」という。

 肩の荷を長時間負い続けると、両肩がこんもりと盛り上がり、そのために首が自ずと前へ出る。そして重荷に耐えきれなくなったとき、伏し目がちになり、首もうなだれる。カバンを小脇にかかえ「肩の荷」を背負い、首を垂れてトボトボと、それでもけなげに通勤している人を見ると、「この人は、仕事がつらいのだろうな」とつい同情してしまう。

 肩の荷が重くなる人はもともと責任感の強い人である。そういう人はしょっちゅう肩こりに悩んでいる。無責任な人には「肩の荷」のしこりはできない。さらに「仕事をなんとしてでもやり遂げるぞ」と気力をふりしぼっている人はアゴに力が入る。それでアゴをしゃくるようになる。こういう人が歩くと、顔ばかり先へ行って、お尻が後に残る。気は焦るのに体がついて行かない。だから小股でセカセカと急ぎ足になる。

 このタイプの人は年中イライラしているから、本人も周りの人も短気はその人の性格だと思いがちである。しかし短気ということは息が短いということである。肩が上がるから息が短くなっているのだ。短気な人はやることなすことすべてがセカセカと落ち着きがない。「肩の荷」のしこりをほぐし、息が深く降りるようにすれば、このような短気はなくなる。

その2、「肩身の狭さ」― 切ない思い

失恋をしたり、仕事上で失敗をして同僚に顔を合わせられなくなったり、また、家庭内の不和などで悩むと、胸がキュッと締めつけられて息が苦しくなる。この時、背中の中央上部.肩甲骨と肩甲骨の間にしこりができている。こういう人を「肩身が狭い」という。「肩身の狭さ」を私が発見したのは、失恋のしこりを知ったのがキッカケである。かつて私は高校で教鞭をとっていた。音楽を担当していたのだが、生徒の声を明るくするために発声指導は背中をほぐすことから始めていた。

 ある時、声の暗い一人の生徒が背中に強いしこりを持っていた。正確に言うと胸椎3番の左側を固くしていた。何気なく話をしていて、その生徒は失恋をした直後であることがわかった。その後、同じ位置に同じようなしこりを作っている生徒がいて、聞いてみるとやはり失恋中なのである。そこで逆に、その位置にしこりを持っている生徒がみつかると、「キミ、失恋中?」と尋ねてみることにした。これが見事に的中したのだ。

 私が面白いように失恋を当てるものだから、音楽の先生は恋愛占いができるぞと評判になった。そのうち昼休みには連日、背中を占ってほしいと音楽教室前に行列ができるようになった。

 おかげで来る日も来る日も生徒の背中を見るハメになったが、このことで背中のしこりと心のつながりについて、その他いろいろなケースを知ることができた。プライベートな我慢のしこりは胸椎4番、家族関係のゴタゴタは胸椎5番、同僚や近所付き合いの不和は胸椎6番という具合である。ちなみに恋をすると、その兆候はやはり胸椎3番の両側に出る。恋をしている人の息は熱いから、しこりではなく、この部位が特に柔らかく弾力性に富むようになる。

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